先週末、桜坂劇場で「サンマデモクラシー」という映画を見た。上映後に山里監督のトークショーがあるというので、期待に胸が膨らんだ。実は山里監督は自分のいとこであり、少年時代の私から見た彼の印象は、ものすごく勉強のできる秀才で、クールというかハンサムなお兄さん!てな感じだ。現在も沖縄TVで華々しく活躍される傍らの映画製作であったのだろう。映画の内容はもう期待を遥かに上回る面白さで、最初からずーっとスクリーンに張り付いて離れられない。復帰前の沖縄で魚屋のオバーが起こした「サンマ裁判」を中心に物語は進行するのだが、そこに登場する人物達が人間的魅力マックスの方たちばかりで、誰が主役でもおかしくないほど熱く、濃厚に、やさしく、愛でもって展開されていくのだ。60年代の沖縄にこんなにもパワフルで郷土愛、人間愛に満ちたウチナーンチュが居たことを誇りに思うし、なんだか嬉しくて涙もこみ上げてくる。ウチナーンチュをはじめ全ての人に見てほしい素晴らしい映画であった。「本の中には映画では盛り込めなかった内容も記されています。楽しんで下さい」と山里監督の笑顔が眩しかった。